子供が成長し、一人で留守番をしたり、習い事へ通ったりするようになると、家の鍵を持たせる機会が出てきます。これは子供の自立を促す大切な一歩ですが、同時に親にとっては鍵の紛失という新たな心配事が増えることでもあります。子供が鍵をなくさずにきちんと管理できるようになるためには、まず「鍵の置き場所」を明確に決め、それを習慣化させることが非常に重要です。子供にとって分かりやすく、かつ実行しやすい鍵置き場を設定することが最初のポイントです。大人の目線で作ったおしゃれなキートレイや高い位置にあるキーフックでは、子供にとっては使いにくいかもしれません。子供の身長に合わせ、無理なく手が届く高さに専用の置き場所を作りましょう。例えば、子供部屋の入り口やリビングの特定の棚の上など、子供の生活動線上にあり、かつ目につきやすい場所が良いでしょう。その際、ただ場所を決めるだけでなく、子供が「自分の場所」と認識できるように、好きなキャラクターのシールを貼ったり、お気に入りの色の小さな箱を用意したりするのも効果的です。次に、鍵を置くという行為を楽しいものにする工夫も大切です。例えば、「鍵さんのおうちに帰してあげようね」といった声かけをしたり、鍵を置くたびにカレンダーにシールを貼って、一定数貯まったら小さなご褒美をあげたりするのも良いでしょう。ゲーム感覚で取り組むことで、子供は自然と鍵を定位置に戻す習慣を身につけやすくなります。そして、何よりも根気強い声かけと、できたら褒めるというポジティブなフィードバックが不可欠です。「ただいまの後は、まず鍵をここに置こうね」「ちゃんと置けてえらいね!」といった具体的な言葉で、正しい行動を強化していきます。万が一、鍵を置き忘れたり、失くしかけたりした場合には、感情的に叱るのではなく、なぜそうなったのかを一緒に考え、次からどうすれば良いかを話し合う機会にしましょう。また、実際に鍵を紛失してしまった場合の対処法(すぐに大人に知らせる、など)も事前に教えておくことが大切です。親子で一緒に鍵の置き場所ルールを作り、それを守る習慣を育てることは、子供の責任感や自己管理能力を養う上でも、非常に有益な経験となるはずです。
子供に教える鍵の置き場所と習慣