私が今住んでいる賃貸マンションに入居して5年目の夏のことでした。いつものように仕事から帰宅し、玄関の鍵穴に鍵を差し込んだのですが、妙に引っかかる感覚がありました。あれ?と思いながらも力を入れて回そうとした瞬間、ガクンという嫌な感触と共に、鍵がそれ以上回らなくなってしまったのです。何度か試してみましたが、全く反応しません。鍵穴の中で何かがずれてしまったような、そんな感覚でした。時刻はすでに夜8時を過ぎており、焦りが募ります。幸い、その日はたまたま早く帰宅していたため、まだ管理会社に連絡がつく時間でした。震える手で電話をかけ、状況を説明すると、すぐに提携している鍵業者を手配してくれるとのこと。とはいえ、業者が到着するまで1時間ほどかかると言われ、私はマンションの共用廊下で途方に暮れるしかありませんでした。ようやく到着した鍵屋さんは、慣れた手つきで鍵穴を覗き込み、特殊な工具を使って作業を開始しました。結局、鍵穴内部の部品が経年劣化で破損していたことが原因だったようです。幸い、鍵を開けることはできましたが、シリンダーごと交換する必要があるとのことでした。ここで問題になったのが費用負担です。管理会社に再度連絡を取り確認したところ、経年劣化による故障と判断され、交換費用は大家さん負担で対応してもらえることになりました。これには心底ほっとしました。もし自己負担だったら、予期せぬ出費に頭を抱えるところでした。翌日、改めて鍵業者が来て、新しいシリンダーへの交換作業が行われました。作業自体は30分ほどで完了し、新しいピカピカの鍵を受け取りました。以前の鍵よりもスムーズに回り、防犯性能も高いディンプルキーになったので、結果的には良かったのかもしれません。この一件で学んだのは、賃貸物件の設備に不具合を感じたら、放置せずに早めに管理会社や大家さんに相談することの重要性です。特に鍵のような防犯に関わる部分は、異常を感じたらすぐに対応すべきだと痛感しました。また、費用負担についても、原因によって異なるため、必ず事前に確認することが大切です。今回は大家さん負担でしたが、もし鍵を紛失したり、自分の不注意で壊してしまったりした場合は、自己負担になる可能性が高いでしょう。賃貸契約書の内容を改めて確認しておく必要も感じました。